イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は13日、鳥取県に本社を置くバッグの製造販売等を行うバルコスが展開する一部の商品が、イッセイ ミヤケが展開するバッグブランド「バオバオ イッセイ ミヤケ(BAO BAO ISSEY MIYAKE、以下バオバオ)」の商品と類似する特徴を備えているとして、不正競争防止法違反等を理由に製造、販売及び輸入等の差止めを求める仮処分の申立てを東京地方裁判所に行った。
「バオバオ」の商品は、荷物を入れるとタイルのようなピースの境界部分が折れ曲がり、外観が立体的に変形する点が特徴だ。今回差止め請求の対象となったのは、バルコスの「ハナアフ(HANAA-FU)」というブランドで展開している“アリエス ネオ(ARIES NEO)”をはじめとする3型。いずれもタイルのようなピースがバッグ側面にあしらわれ、境界部分が折れ曲がり立体的に変化するという特徴を有している。
イッセイ ミヤケによると、2019年1月末に業界紙においてバルコスの商品の広告が大きく打ち出されているのを発見し、2月から両社の間で協議を行ってきたという。販売差し止め等の対応をバルコスに求めたが、バルコスはイッセイ ミヤケ側の主張を全面的に否定し要求に応じなかったため、解決の見込みがなくなったと判断し、仮処分の申し立てに踏み切ったという。バルコスは本件について「現時点では正式な書類の内容を確認できていないため、コメントは差し控える」と回答した。
イッセイ ミヤケは「健全な競争が新たな素晴らしいデザインが生まれて来るために必要なものであることは、言うまでもない。しかし、インスピレーションとして許される一線を超え、お客さまが『イッセイ ミヤケの商品だ』と誤認し、混同してしまうおそれがあると考えられるデザインについては、当社のブランドへの社会的信用の毀損にも繋がるものであり、やはり看過することはできない」と話す。